ひとりごと

歌手のMさんが逮捕されましたね。

高校時代、流行ってたなぁ…

その頃、わたしはジョプリンやブラジルのマリーザ・モンチに夢中で、唯一、当時流行ってた歌手で好きだったのはレニー・クラヴィッツくらい(同世代のBも当時クラヴィッツが好きだったようで、え~?!と呆れるローランの横、いやいや彼はセクシーだった!!とふたり熱く頷き合ったことがある。)

そんな具合だから、Mさんの歌もきちんと聞いたことはなかったけれど、逮捕をきっかけにバイト先でYOUTUBEを流してみた。意識的に聞いたことはなくっても、さすがは流行歌、巷で散々流れてた曲はやっぱり耳に残っていて、サビの部分になると自然に歌詞が口をついて出る。ふっくらと若かりし横顔に、透き通った声。

〈僕の背中は自分が思うほど正直かい? どんな時も僕が僕であるために、好きなことは好きといえる気持ち抱きしめたい〉

ちょっと、切なくなった。
当時、〈わたしは余計なものを持ちすぎている〉としきりに感じていたのをふと思い出した。
自分の背中は正直かと問うていたMさん、要らない思考、感情にまみれていると感じていたわたし、みんな若かったんだなぁ…。あれから二十数年が過ぎて振り返ると、いやいや、あなたが自分で思うよりずっと正直だし、身軽だから、安心して~!と背中を叩いてあげたくなるくらい。ピュアだったんだな。

生きて来た道はそれぞれ違っても、二十年という月日の間に、誰もが思いがけないさびしさを抱きしめたり、挫折を味わったり、同じように豊かな瞬間にもめぐり会ってきたはず。
気づけばこんなところまで来たんだなあ…振り返る自分たちの背中は正直だろうか、余計なもので視界を濁らせたりしていないだろうか。どちらでも、いい。ただ、ここまで歩いてきた実感を時に誰かとしみじみ分かち合いたい。そう思えるくらいの距離をすでに歩いてきたんだな。そうしてまた、ゆっくり歩いていくんだな。

0コメント

  • 1000 / 1000