ドイツの田舎に暮らしてみれば…
メリー・クリスマス!
みなさん、どんなクリスマスを過ごされたことでしょう…
今年は近所に住む友人Bがクリスマス前に海外旅行に旅立ったこともあり、ローランとふたりかなぁ…と思いきや、ドイツで同性婚した韓国人の友人Jが久々にパリにやって来て(Jの夫は警察官で、イブの日は夜勤)、我が家でJと3人のクリスマスでした。
久々に会うJは元気そう&幸せそうで、去年アメリカ行きか結婚かで散々悩んでいたけれど、いい選択だったね…としみじみ。Jはまだまだ若いし、アメリカ行きは彼の夢だったし…で、当時、Jは最終的にアメリカ行きを選ぶんじゃないかな。たぶん自分だったらそうするかもな…と内心思っていたけれど、考えたらアメリカは幾つになったって、本当に行きたかったら行けるんだよね。でも心から大切だと思える人にはそうそう出会えない。結局、Jにとって夫のMはそれだけ大切な人だったってこと。あらためて、おめでとう。出会えてよかったね。
以前はカフェのテラスで羽虫が寄って来ただけで大騒ぎしてた都会育ちのJ。
現在暮らしているのはちょっと歩けば馬が飼育されてる農場があり、一番近い店が車で5分というドイツの片田舎。当然外国人がドイツ語を学べるような学校はなく、婚姻手続きが無事済んだところで、ようやく市が運営する外国人のための語学講座に通い始めたそう。ところが、これがまたお国事情を反映していて、クラスメートはほぼ難民。当然アジア人はひとりで、書類手続きをした際には「当講座始まって以来の先進国出身者!」と担当者に驚かれたらしい。韓国出身と自己紹介すると、クラスメートには「ああ、北朝鮮!」とうなずかれる次第で、「いやいや、南!」と説明してまわるのも大変だったとか。
「クラスメートは僕ともう一人を除いては全員難民でイスラム教徒。みんなやさしいけど、なぜ韓国出身の僕がこんな片田舎に!?ってはじめは中々納得してくれなかった。好きでここにいるんです!って理解してもらうまでが大変だったよ…」
「え?!Mと結婚したからっていってないの??」
「もちろんいってない―というか、いえないよ!!同性愛反対の彼らにそんなこと知れたら、何されるかわかんないもん」
だけどJもMもイスラム教徒じゃないんだから、関係ないじゃん…!という私に、Jとローランがふたり、
「甘いよ、ミオ!」
そんな中、Jが仲良くしているクラスメイトのイエメン出身モハメドは父親が外交官だったこともあり非常にオープン。唯一彼とは何でも話せるという。
「モハメドが ”Jはドイツの田舎が好きでここで暮らしてる、それだけだよ” ってみんなを説得してくれたんだ」
モハメドの妹たちもやはりオープンで、ヒジャブも被っていないという。ゆえにクラスメイト、あるいは現地のイスラム教コミュニティから、「どうして君の妹はヒジャブをつけない?」と突っ込まれることも多々あるらしい。
Jいわく、街を歩いているだけで「お前ら、よそ者のせいで…!」とモハメドらに食ってかかるドイツ人ももちろんいるけれど、難民の多くが上手い具合に若者のいない田舎町へ送られているおかげで、地域の未来を担う住民のひとりとしてあたたかい目で見守ろうとしてくれるドイツ人が多いのもまた真実だという。
と、ここまで書いて、こんな記事をみつけた。
もちろん難民を受け入れることで起こり得る問題も多々あるだろうし、メリット、デメリットという言葉でこの問題を語るのもちょっと気が引けるのだけれど、記事中にあるように長期的な目で見れば必ずしも「負担」ばかりとはいえないし、そうならないように行政も当事者も住人達もみな手を取り合えれば理想的。
さらに難民による犯罪率は実際のところ、自国民による犯罪率よりずっと低いというアメリカの研究結果も一般的な思い込みの虚を突いていて興味深いし(ただ犯罪の多いアメリカではなく、もっと治安のいい国の場合どんな数字が出るんだろう?)、「他国へ移住する」という極めてリスキーな行動が自国民とは違った発想力や革新を生み、ゆえにのちに実業家として活躍する移民が多い…というのも面白い。
うん…?「他国への移住」がクリエイティビティや行動力を生む!?
う~ん…もちろん「全員」がそうとは限らないから、ね。
というわけで在仏4年目に入る私も、せめてクリエイティビティが錆びつかないよう、2020年もゆるゆる楽しんでいこうと思います。
みなさんも、どうぞ良いお年を…!!!
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