私の中にいる子ども

 お久しぶりでございます!

 FB等にてお知らせしました通り、残念ながらLACROIXでの展示が見送りとなりました。当初、9月までは店舗維持可能と聞いていたのにも関わらず、買い手が見つかったことから不動産オーナーが急に立ち退きを要求してきたという…、店主Charlyにとってはいたく納得のいかない顛末となり。

 私といえばすでにDMも印刷し配布し始めていたので、さすがにこの知らせを聞いた後は疲れと落胆でため息の止まない2時間ばかりを過ごしたものの、一番ショックなのはCharly本人に違いなく。私の絵? そんなの動けばまた機会はあるさ、さぁこれからどんな展開を起こしていこう!?と、すぐに気持ちを新たにしました。ああ、生きてるだけで、ひとってどんどんタフになっていくもんだなぁ~

 とはいうものの、ここしばらく私にしてはかなり詰めて描いていたし、展示にまつわるその他諸々の準備にも取り掛かっていたので、すっかりお疲れモード。この週末もたらたらと本当によく眠りました!

 幼い頃から、絵とはずっと〈つかず離れず〉の関係だったけれど、こんなに詰めて描いたのは本当に久しぶり。良い経験でした。毎日せっせとペンを走らせながら、ふと好きなフランスのことわざ〈食べれば食欲が出る〉をしみじみ実感したり。いわく、描けば描くほどに面白くもなってくるし、時に我ながら、中々どうして悪くないんじゃない?と思える仕上がりだってある。ああ、そんな時のごはんのおしいしいこと!だらり頬をゆるませ、上機嫌でもぐもぐやってると…

〈ううんもっと違う、もっと面白い作品を思い切り描いてみたいのよぉ…!〉

 身の程を心得ているつもりの私にしてみれば、ずいぶんわがままで分不相応な欲求がまるでライチの実のごとく、つるんぷるんと自己満足の殻を破り、ぴゅっと飛び出してきたり。あれ、まぁ…。

 たっぷり寝たあとの、腫れぼったい顔で窓から表を眺めてみる。5月の終わり、雨上がりのいい匂い。行き過ぎる男のひと、女のひとを見て、思うのです。ひとはみんな自分の中にわがままで気まぐれ、純粋無垢な子どもをいっぴき飼っているのじゃないかしら。相対的物差しなんて、端から持たない子ども。持っているのは卸したての新鮮な目と好奇心、そうしてあらゆるよろこびを嗅ぎつける絶対的嗅覚と信頼。誰の中にもいる、ライチの実のように甘くみずみずしい子どもたち…。

 描いていきたい。描くだけじゃなくて、少しずつ絵を取り巻く世界を広げていきたい。そこで、あの子に会いたいのだ。


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