祝福
焦らすようにゆっくり、少しずつ。
コンコルド広場からピンクのトラックがやって来る。
ぼぉおん、ぼぉん!
時折、大きなホーンを鳴らして。
周りにはレインボーの旗を纏って歌い、踊る人びと。
ほぼほぼ裸だったり、パンクだったり、ドラッグクィーンだったり!
あふれる色、スタイル、混沌、氾濫、ミックス!
見上げるとパステルブルーの空に、綿あめみたいな雲がふわりふわり。
うん? きらきらしてる、あれは…?
銀色の紙吹雪が夏の日差しに煌めいて、宙を舞っている。
ゆらりゆらり、そこだけスローモーションみたいに、実に優雅に。
” もし僕らの存在が 神さまのミステイクだとしたら、どうして僕ら、こんなにキュートなの?! ”
そう大書きされたメッセージボードを得意そうに掲げ、
小鹿みたいな男の子が腰をくねらせ、通り過ぎる。
みんながうれしそうで、みんな楽しそうで
一緒に歌って踊って、好きな格好して、何でもありで!!
ああ、天国にいるみたい…。
そう、もし一人ひとりにそれぞれの天国があるのなら、
天国さえも好きにカスタマイズできるのなら、
たぶん、私の天国ってこんなところだと思う!
〈いのち〉に酔いしれ、軽やかに愛を交わす、甘くカラフルでスパイシーな場所。
ああ、私ももっともっと花火みたいに大きな自由を打ち上げたい。
〈わたし〉であることを飛び跳ねて歓喜したい!祝福したい。
クタクタに疲れ切って帰宅。
でもね! 夜は夜で、また特別なお楽しみがあったのだ…!
そのお話はまた今度!
ゲイ・プライド・パレードの日に。
2コメント
2018.07.02 10:15
2018.07.02 09:29