セーヌに揺られて

あっという間に2月…と書いてから、さらに半年もの月日が過ぎ、今は8月。

2週間ほど前にはパリも40度近い暑さを記録した。

なんだか恒例になりつつあるな…

今年はなんとなく体調がすぐれず、途中とうとうコロナにも感染。

しかも滅多にない、ローラン不在時に。

40度の熱が3日間続き、ひとりうんうん唸ってようやく少し熱が引き始めた頃、ローランが帰宅。

薬局でふたりそろって検査したら、その場ですぐに陽性反応。

この時点ではローランは陰性、しかし数日後やはり陽性反応が出た。

さいわい、ローランに至っては鼻かぜ程度の軽症で済んだ。


一昨日は誕生日の〈おまけ〉サプライズで、セーヌ河畔へ。

当日までおまけの内容は知らされず、朝になって

「夕方から出かけるからね…今夜はお泊りです!」

〈おまけ〉はセーヌに浮かぶ水上プチホテルでの一泊だった。

夜、窓の向こうには光をちりばめたセーヌ

大型船が横を通れば、かすかに揺れる寝室

独身時代のわたしなら、きっと浮かれて寝付くことさえままならない夜だっただろうに…

日中の暑さとカクテルにやられ、早々に眠りについてしまったわたしは

やはり感性が鈍化してきているのか?

丸1日が過ぎて、今日は週に2日のローラン出勤日。

(その他の日は在宅勤務…!)

ひとりきりの家で今、わたしはこの日記を書いている。

書きながら、あらためて自分の感受性の劣化具合にぞっとしている。

ああ、独身時代のわたしよ、惰眠を貪るわたしにどうか揺さぶりをかけて…!!

あなたなら、あなたなら…あの夜のきらめき、

瞳に皮膚に、脳裏に…永遠に焼きつけておこう、きっとそう誓ったはず。

愛する人と水上に浮かぶ寝室から眺める水面、まるで映画のワンシーン

こんなにロマンティックな展開、想像できた?って

自分に与えられた幸運にくらくらしながら感謝したはず…

いや、粋なプレゼントについてだけじゃない。

なにがなくても、こうして日々平穏に仲良く暮らしていられること…

それだけですでにあの頃のわたしが喉から手が出るほど欲していた人生、そのものじゃないか。


久しぶりの日記があえなく反省録と打って変わったところで、ペンを握る。

〈愛するローランへ…〉

久しぶりに恋文を書く。






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