週末の公園にて思うこと
家の近くに公園があります。
週末など時折ローランとふたり訪れてのんびり過ごします。
バーとカフェが立ち並ぶ、賑やかな界隈のちょっとしたオアシス。
足を踏み入れた途端、柔らかな葉群れの、咲きこぼれたばかりの花々の、
土と水の…清々しい香りがいっぺんに鼻先をくすぐって、
瞬間、こちらまでなんとなく新鮮になったような気になり、少しうっとりします。
ここはみんなの大きな庭。
ベンチにはマダム、ムッシュー、マドモワゼル。
あらゆる年齢層の人々が思い思いに本を読んだり、
おしゃべりに花を咲かせたり、あるいはただぼんやりと空を眺めたりしています。
天気の良い日にはワインとサンドイッチでちいさなピクニックを楽しむグループもあり、
見ているだけでゆるゆると楽しそうです。
公園の真ん中には遊具施設が並んだ区間があり、
そこだけは地面がクッションのような構造になっていて、いくら転んでも大丈夫。
疲れを知らないちびっ子たちが思い切り走り回り、一際にぎやかです。
そのちびっ子ゾーンに面したベンチに腰掛けて、わたしたちふたりは本を読む。
本を読む合間に子供たちを眺め観察する。
肌の黒い子、白い子、わたしのようにきいろい(?)子。
大きな目、細い目、青い目に緑の目。
見た目はさまざまでもみなフランス人。
「ね、ひとり連れて帰らなきゃならないとしたら、どの子を選ぶ?」
とたずねると、なんて質問!と苦笑いしながら、
ローランは先ほどからひとりジムと格闘している、活発そうな女の子を選びました。
「わたしは、あの子」と、
男の子なのか、女の子なのか判別しかねる、可愛らしいおデブちゃんをセレクト(笑)
子供たちを見ながら思います。
それぞれの文化を背負った子供たちが、やがてそれぞれの文化を引きずりながら、
またこの国の文化を引き継ぎ、新しい社会をつくっていくんだな…
それが誰かを傷つけるものでない限り、どの文化も伝統も尊重したい。
けれど同時にまた、時代、世代の新しい風を巻き込みながら
常に変化していくのがあらゆる文化の定めなのでしょう。
願わくば懐古主義、保守主義に陥らず、芯のある柔軟性を持っていたい。
森茉莉のいう、”頭の中のミルクが新鮮”な状態を保ちつつ、
わたしもこの場所でゆっくりと生きていきたいなぁ、と。
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